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北陸の小京都で渓流釣り

大野の渓流魚

福井県東部に位置し、戦国の世以来400年を超える歴史を彷彿とさせる景観が未だ残るがゆえに北陸は奥越の小京都とも称される大野市を中心とした、九頭竜川中・上流域における大野市漁業協同組合が管轄する流域での渓流釣りを紹介させていただきたいと思います。

全域において、潤みのある艶やかな美しいヤマメや、金粉イワナと称されるような、細かく金粉をまぶしたような鱗のイワナたちと出会える魅力的な釣り場が各所にあります。

あくまで私見ですが、大野市漁協管区内でも、本流よりも数多ある九頭竜川の支流の中でも突出して大きな二つの支流である打波川と真名川を中心にお伝えしたいと思います。

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九頭竜川

大野市漁協管区内の九頭竜川本流は全体的に開けた中流域の風情であり、時として大型も含めきれいなヤマメが狙えます。

ただ、開けているがゆえに日陰になるエリアがとても少なく、アユ釣りが始まり本格化する時期(例年6月中・下旬ころ)からは、アユ釣師方々の出入りもあって日中の釣果は出にくくなり、朝夕にチャンスがあるかも…といった印象です。ですから、入られるならタイミングを図って丁寧に探られることをお奨めいたします。

さらに上流には、勝原遊園地がありキャンプ地としても有名で渓流釣りも楽しむことが出来ます。ダムの放水次第で水位変動の影響が大きく、釣果的には当たり外れの差が大きい印象ですが、そのダイナミックな渓相はとても魅力的だと思える区間です。

九頭竜川と渓魚.jpg

真名川

大野市内を流れる下流域は、九頭竜川本流域と同様に開けた地形で傾斜も比較的緩やかなので河原へのアクセスも良く、川幅もさほど広くはないので道具は一般的な渓流用のものと同様で楽しむことも可能です。

平野部を流れる範囲の大方ではヤマメが狙え、上流に行くにつれ山に入るあたりからはイワナも時折混じるといった具合。上流のV字谷は真名峡と呼ばれ、上流を目指すには国道157号を久しく遥か下に流れを望みながら車を走らせることになります。

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真名川上流の佐開橋付近までは、ヤマメ主体。さらに雲川ダムより上流の熊河川、温見川はアクセスが容易だとは言えませんが、イワナ釣りが楽しめおもしろい区間です。

また、笹生川ダムより上は笹生川と名を変えつつ峡谷はさらに狭くなり、各支流も含めてまさにイワナの谷といった風情の中、イワナたちとの出会いを堪能できるでしょう。

打波川/イワナ三態.jpg

​打波川

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九頭竜川で一番の規模と知名度、人気を誇る大支流が打波川で、奥には釣りの後の疲れと汗を流せる鳩ヶ湯温泉という秘湯もあり、下流域ではヤマメも交じり、イワナ主体で楽しみの多い流れでもあります。

個人的には、九頭竜川水系で釣った数尾の50cm超、多くの40cmクラスのイワナの過去釣果のほとんどが打波川とその各支流での釣果です。なので、以前から九頭竜で大型のイワナを狙うならば打波川とおすすめしておりますが、ただ、ここも人気河川ゆえ近年の釣人の増加もあり、また、2004年の水害以来特に、そういった超大型クラスを目にする頻度は減った気がします。

とはいえ、大野市漁協による放流や増殖事業のおかげで、時として嬉しい出会いに興じ得る流れと言えるでしょう。

打波川/イワナ三態.jpg

釣りに関するあれこれは以上ですが、大野市漁協管区には、その流域面積の広さに相応しく様々な楽しみ方、接し方があると思います。つまり、釣人それぞれの多様な楽しみ方に合う選択肢がたくさんあるということだと言えるでしょう。

​大野で釣りをする楽しみ

遠く白山を望み、2000mを超える峰々より生じた雪解け水は其処彼処の谷を穿ち削りつつ、名水百選に列せられるその清廉な水質を以て大野盆地を潤し、旨い米、美味いそばなど様々な農産物、名だたる銘酒などの恵みをもたらしつつ人々の営みをも見守りながら今も流れ続ける九頭竜川とその各支流域における渓流釣りは、私見ながらその趣まで古の香りに彩られているかのような錯覚に陥ることがあります。

釣りの途中や帰りに美味いものを食べ、飲んで、温泉で汗を流すなんていう粋を楽しむことができるのも、釣り場だけではない大野の魅力でしょう。

最近になってオープンした「越前おおの荒島の郷」という大型の道の駅にはレストランやカフェなどもあり、AC電源対応のRVパークなども併設されているので、キャンピングカーならずともそこを起点にして楽しむなんていうのも、遠方から来られる方には魅力的な選択肢ではないでしょうか。

 

北陸は奥越の小京都での渓流釣りを、ぜひいちど体験してみてはいかがでしょうか。

〈 記事:E G O I S T   大嶋 信慈 〉

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